筑波大学の構内道路のバンプ設置などはつくば中央警察署と協議しているとのこと

登 大遊@筑波大学大学院コンピュータサイエンス専攻の SoftEther VPN 日記」にて書かれた、一部クラスタで話題になった「筑波大学の構内道路は道路交通法上の道路であることが判明 (警察庁の公式見解)」というエントリ。
これについて、大学側はどのように認識しているのか、質問をしてみました。

と言うのも

大学ループにバンプ(段差)が設置されてから

  • 歩道で歩いている歩行者が、道路の段差を避けて歩道を走っている原付にホーンを鳴らされる
  • バンプを避け、反対車線に突然はみ出した車とあわや衝突

ということを幾度か経験、目撃し「これバンプを設置した方が危ないのでは?」「そもそもバンプは適法なのだろうか?」と疑問を抱いたためです。

結論としては、

  • バンプについては、過去に学生死亡事故が2件発生しており、死傷事故を回避するための処置としてやむを得ず設置
  • 学内ループ道路は道路交通法の適用を受けるため、交通標識等の設置にあたっては、事前につくば中央警察署と協議

ということだそうです。以下に、そのやりとりの全文を、個人情報を除いて全文載せます。

[質問状] 学内ループの段差について

今回、学内ループに関して大学の見解を伺うべくメール差し上げました。


現在、学内ループにはバンプ(プラスティック製の段差)が
設置されておりますが、以下の理由によりその設置が危険、
ないしは妥当ではないと考えます。
以下に大きく二点、運用上の問題と法的問題を挙げます:



一点目「運用上の問題」
1. 段差を避けて対向車線へとはみ出す車
  - 現在では2割ほどの車がはみ出しをしているように見受けられます
  - 私自身三回ほど、はみ出してきた車輌と衝突しかけております
2. 段差により二輪車がスリップする危険
  - 現在、これが原因で起きたのではないか、とされる事故を一件聞いております
3. 段差を避け、歩道を走行する原動機付自転車の増加
  - 平砂・追越宿舎エリアから大学会館前の坂道にかけて、これまで
   少なくとも5回は目撃しております。
  - 歩道走行をする原動機付自転車が、歩行者に対してホーンを鳴らしているのを一度目撃しました。

以上、「学内ループの段差設置により発生する問題」よりも、
「設置することによる歩行者の安全の向上」の利点が上回っ
ていると考える根拠をお聞かせ下さい。



二点目「法的問題」
学内ループは道路交通法上の道路にあたると、
国家公安委員会 (警察庁 交通規制課長) の公式見解が出されています。
http://d.hatena.ne.jp/softether/20120130

もし、警察庁の公式見解の通り、学内ループが道路交通法上の
道路に該当するならば、筑波大学が行っている以下の行為は、
以下の通り道路交通法の禁止条項に該当すると思われます:

・センターラインの消去(学内ループ天久保エリア付近)
  - 道路交通法 第76条「何人も、信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置してはならない。」
・段差の設置
  - 道路交通法 第76条の3「何人も、信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置してはならない。」

現在大学側がセンターラインの消去及び段差の設置を行っている
ということは、学内ループは(警察庁の見解に反して)私道である
と判断していることになります。
この判断の根拠についても、お聞かせ下さい。


なお、このやりとりについては複数の学生が興味を持っているため、
公開することを考えています。
公開することが望ましくない場合は、9月18日までにその旨ご連絡下さい。

以上、お忙しい中とは思いますが、返信よろしくお願いします。

上に対する回答

学内道路に設置されている段差に関するご質問について、以下のように回答します。

1.段差の設置による安全性の確保について「運用上の問題」
 ハンプは、学内道路の交差点等での交通事故を予防するため、車両の速度を交差点付近で減速させることを目的として設置しています。
ハンプが無い場合は、高速走行になりますので事故が起きた場合は死傷事故につながります。
大学会館の下り坂は過去に学生死亡事故が2件発生しています。
ハンプは、歩行者(特に学生)の死傷事故を回避するための処置としてやむを得ず設置しています。
 学内道路における交通ルールは、一般公道ど同じです。
原付自転車の歩道への乗り入れについては、これまで立哨指導等を行っていますが、違反する学生が多くその対応に苦慮しています。
引き続き学生部と連携しながら注意して参ります。

2.段差の設置と道路交通法との関係「法的問題」
 学内ループ道路は、本学が大学敷地内に整備した道路で、道路の管理は、大学が行っています。
 学内ループ道路は、道路交通法の適用を受けるため、交通標識等の設置にあたっては、事前につくば中央警察署と協議しています。
構内に設置されている交通標識、路面標示等は、つくば中央警察署(茨城県警察)の承諾を得て設置等を行っています。
従って、段差等の設置は、ご指摘の道路交通法第76条に抵触していません。

というわけで、

大学側の認識としても、学内の道路は道路交通法の適用を受けるようですね。
「大学内は道路交通法の適用外だ」として無免許の人の運転練習などを行ってもよい、という話(噂)を聞いたことがありましたが、道路交通法が適用されるので、そのようなことは行ってはいけない、ということです。
しかし、これでバンプおよびセンターライン等の消去はつくば中央警察署の承諾を得ていると分かりましたが、学園祭の交通規制などもそれに準ずるのでしょうか……?